☆☆☆★
事前情報ほぼゼロで観た。ちょっと地味だなぁ。派手にできる要素はいくらでも転がっていたのに、そうしていない。
『地獄の黙示録』ということだが、私が連想したのは、『2001年』『2010年』『ミッション・トゥ・マーズ』『ゼロ・グラビティ』だった。しかも、これらの地味なところを寄せ集めたような(^^;)
『インターステラー』みたいにできた筈なのだが。
アニメならともかく、実写では珍しく、全編に渡って主人公(ブラビ)のモノローグが入っている。宇宙飛行士という設定には合っているが、極限まで冷静な性格の主人公ということなので、それがないとストーリーがさっぱりわからなくなるのかもしれない。『2001年』みたいに一切なしにする手もあったと思うし、なにせ本作の主役は二枚目俳優ブラビだから、それでも充分「間が持つ」映画になっていたと思う。
『2010年』のボーマン船長にあたるトミー・リー・ジョーンズは、目の下の隈が狂気を露骨に表しているが、これメイクなのか素の顔なのか、どっち??
純文学的には、仕事あるいは、未知への探求に取り憑かれた人間、という設定はありだろうが、SFとしては、地球文明や自分の家族を一切顧みずにそれに突き進む、というには、それだけの理由がないと納得できない。異星人またはその手がかりだ。本作は、SFの衣をまとった純文学映画なんだなぁ。
SF映画としては、宇宙服のヘルメットが地味でリアル(ほぼNASAで使っていたやつそのまま?)だとか、火星基地の設定とか、緻密に作り込まれている。また、実写SFでは珍しい、軌道エレベーターが登場するのも見過ごせない。ただ、それにかんしては説明がほぼゼロなので、分かる人にしか分からない(^^;)
リアリティとしては、火星からの大気圏離脱ロケットに、発射ロケットを点火してから乗り込んだり、クライマックスに宇宙船(探査船)の外壁パネルをシールドに、レーダーアンテナ回転の遠心力で自分の宇宙船まで戻るとか、明らかにあり得ないシーンも、あるが、