思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

Q&A


☆☆★

変な題名だが、ちゃんとしたアメリカの警察サスペンスもの。
少なくとも作中のセリフが事実なら、いわゆる供述調書のことをアメリカの検察用語でこう呼ぶらしい。
冒頭に、とあるベテラン刑事が自分で殺した悪党に銃を握らせて、銃声を聞いて出てきた人たちに正当防衛だという証言を強要する場面がある。その事件を担当するのが、主人公たる期待の新人検事。倒叙ものなのね。
すっかり偽の手がかりや証言に騙されたり、犯罪の蔓延する街の警官としてことなかれ主義の同僚。何かがおかしいと気づく主人公だが……。
これだけだと刑事ものサスペンスとして面白そうに思える。
だが、主要登場人物は有名なのかもしれないが、私から見るとテレビ映画なみにパッとしないし、ルックもテレビ映画なみ。序盤で主人公の元カノ(というか、彼女の妊娠を知って男の方が逃げ出した)が目撃者として登場してから、一気に萎えた。ヘタレの臆病愛憎劇はどうでもいいから、「警察の正義とは何か」というテーマに絞ってくれよ! ということだ。
最後はちゃんとそれに帰着するので、元カノ要素さえなくせば、時間も2、30分短縮できるし、良いことずくめだったんじゃないかなぁ。
理不尽な正義にもとる警察の事情が勝ったことに憤って、自分の検察官部屋の室内ガラスを次々と割るラストシーンはなかなか印象的なのに……。