思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ドラえもん 新・宇宙開拓史

☆☆☆★

「漫画映画」として楽しい部分、つまりアニメートの楽しさ、ぶっちゃけて言えばドタバタギャグは満載。
でも、ドラマや設定として改変された要素は、ことごとく逆効果に思える。
ロップル君の姉と父が新キャラだが、姉なんて当時の人気タレント香里奈を出して宣伝させるためだねだし、父親は堀内賢雄なので宣伝要素はないのだが、アヴァンで事故で失踪し、ラストで「生きてました」と姉と再会するが、ドラマ的には何の意味もない。
それとは正反対に、タレント枠である漫才コンビチュートリアルは、リメイク前のやつから出ている小悪党役なのだが、実に自然なアニメ演技で(コミカルだからやりやすい、ってのもアドバンテージになってるけど)、言われても全く気づかないレベル。
今回も原作マンガタッチのキャラデザインなのだが、ちょっと全体の統一感に欠ける。ドラえもんやドラミちゃんも、明らかに変な顔に見えるカットもいくつもあり、ビジュアル的な美しさには欠ける感じ。ドラミちゃんといえば、こちらもリメイク元には出てこず、やっぱり見た目の賑やかし以上の役回りはなかった。なんでそこまでしてリメイク元から30分延長することにこだわった(これは本来の意味。念の為)のかねぇ……。
メカデザインも一新されているが、これがまた、リアル寄りでもなく、元デザインをアップデート/リファインしたわけでもなく、また独自の魅力があるわけでもない。私的に暴言するなら、何の魅力もないダメデザイン。
あ、唯一、リメイクした意義があるとしたら、惑星の楽しい動物たちが、バリエーションも増えて、かつ作画コストをかけて、生き生きと描かれていることくらいか。卵鳥の殻が無限に剥けるのはやり過ぎだけど(´Д`)

そういえば、リメイク元の『宇宙開拓史』からしてそうだったが、どちらにも「開拓する」要素は全然ないんだよなぁ……。ロップル君たちが辺境(なにせ荒野だらけだからね)の惑星の開拓民かその子孫であることは分かるのだが……。