☆☆★
中高生の時にレンタルで一度観て以来。
肝心のドゴラが、地味すぎる上に、ほとんど出てこない、「変化球を狙いすぎて暴投しちゃった」映画としての印象しかない。
改めて超えた目で観ると、意外と特撮パートは悪くない。中盤から終盤になってようやく怪獣ドゴラが本体を表した時には、「この浮遊感は凄い」と素直に感心した。ま、デカいクラゲに過ぎないんだけど(^^;) ドゴラや、色のついた霧というかオーロラみたいなのは、たふん水中で撮っているんだろうが、たぶん当時の観客にはわからなかったんじゃないであろうレベル。
それよりも問題なのは、本編が面白くないこと。ジャンルミックス問題は、黎明期を終えた（『モスラ』以降から既に）特撮映画でこそ顕著であり、本作もそれにもれない。
ダイヤを狙う盗賊団と、国際Gメン、刑事たちの三つ巴の（ドタバタ）争いが、怪獣とはほぼ関係ない。いちおう、ドゴラの食料が炭素である、という設定はあるのだが、それが判明してからも、盗賊団とのドンパチをやってたりする。
特撮映画としても致命的なのは、クライマックスのバトルにドゴラ本体が登場しないことだろう。なぜか、ホタルイカみたいなのばかり。特効薬を散布すれば、石化して落ちてくる、というのは分かるが、本体が出てこないのは分からん。わざわざ新聞に「ドゴラ退治」と書いてあるのを映すというのは、制作陣も、わかりづらいのは自覚していたのだろう。中盤の中ボスならともかく、他にラストバトルの結果をそうやって補強したのはないんじゃない？(^^;)
ドゴラ本体がちょっとしか出てこないことといい、何か特撮撮影現場でのトラブルがあったんじゃないか、と強く疑うレベルだ。
