思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ジョーズ』☆☆☆☆
小学生の頃にテレビで観たようで観てなかったかもしれないシリーズ。三宅隆太監督や「おまけの夜」メンバーなど、さんざん絶賛されて見所も知った上での視聴である。
まず序盤は、パニック映画の常道である、危機を予見した主人公と、常識や旧弊に凝り固まったエラい人、という構造だ。「すぐわかるお」を見ていてひらめいたのだが、冒頭のヒッピー女子が水面下の河童に弄ぶように喰われるシーンは、クライマックスで浮きを引きずりながら主人公たちと対決するのと対になっているのかも。
中盤では、パニック映画から一転して、シャイダー演じる主人公の警察署長(なのだが、事実上、村の交番のおまわりさん的な権限しかない)と、外から呼び寄せたサメ研究者(パニック映画では定番の、メガネ君=オタク=科学者的な立ち位置)、それに体育会系の、元軍人で百戦錬磨のあらくれ漁師、という3人がサメ退治に挑む、冒険活劇、正統派モンスター映画になる。
これって、『ゴジラ』や『ラドン』など、正統派怪獣映画と全く同じじゃないか。当然、怪獣映画の方が20年早いわけで、黒澤好きのスピルバーグだから、そっちを参考にしている可能性もかなり高いんじゃないか?(私が見聞した中では、それを指摘したものはなかったけど、もっと昔に読んだ特撮映画関係の本では読んだのを刷り込まれていただけかも)
余談ついでに、タイトルと紐づけられて人口に膾炙しているジョン・ウィリアムズのテーマ曲は『ゴジラVSビオランテ』のビオランテのテーマでパクられてることに気づいた(^_^;) ただし、本作『ジョーズ』における劇伴は、サメのライトモチーフは良いとして、他の状況音楽は、どれも合っていない、過剰に華麗な曲調ばかりなのは意外と残念(がっかり)だった。
パクられているといえば、ヨットが浸水して傾いて沈没するまでの件は、『ジョジョ』第5部の序盤のヨットでの戦いでパクられていることに気づいた。まあ、『ジョジョ』の映画オマージュはもはや常識、というより「前提」と言えるけど。
私的には、序盤、特に家族のエピソードはバッサリカットして、90分くらいにして欲しかった。後半は、普通に楽しめたけど。