思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

獅子王争覇


ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 獅子王争覇』
☆☆☆

シリーズ3作め。冒頭に西太后らしきおばちゃんが出てくるが、出番はそこだけ。紫禁城でロケしたりと、(どっちが先か知らないが)『ラスト・エンペラー』っ的な大作っぽさを狙ったか。
そこで、獅子舞大会を開くことになる。この、香港映画によくある、武闘家と獅子舞、というのが日本人たる私(たち?)にはよく分からないんだよなぁ……。そもそもアクション映画としては、獅子舞を持つために両腕を封じられているから、足技だけで争うことになる。脚だけとはいえ、頭上にデカい頭があるので不細工だし。
だからというわけか知らないが、本作のゲストとして、足技使いが出てくる。最初は敵として出てくるが、鋼板では味方になる。
ジェット・リーのアクションも、獅子舞のないところではキレキレのワイヤーありアクションを見ることができるのだが。本作の見せ場は、終盤に入る頃にある、油を巻いた床の上で滑りながら戦うシーンだ。
本作の致命的な欠点は、ラスボス(敵役)がチンピラにしか見えない、人間的小物であること。香港マフィアもの映画なら、チンピラ役ていどだ。
クライマックスの獅子舞戦は、画面からせましと2、30の獅子舞が戦いながら、入り乱れる、メチャ大変な撮影であろう割には、混乱としか思えない状況。獅子舞にしても、槍をくっつけているのは序の口で、火を吐くもの、獅子舞の下で刀を振り回す、最後には縦横4倍くらいある巨大なやつまで、なんでもありだ。
少なくとも、3作とも、アクション映画としては毛色の違ったものにしよう、という目論みは、見事に達成されている。アクション映画としての面白さは第3位だが、人間ドラマとしては第1位かも。とは言え、ドラマ的には普通には、それほど面白いとは思えないけどね(^^;)