思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

タンク・ソルジャー 重戦車KV−1

☆☆☆★

本物のソ連戦車がほぼ全編出ずっぱり。それだけでもミリオタ必見の映画である。
主役は邦題通りKV−1(増加装甲つき)だが、T−35/82もそれに負けないくらい出てくる。『ガンダム 哀・戦士編』で例えると、グフがKVで、ザクがT−35のポジション。KV−1に関しては色んな角度から、ドアップも多く、実に模型作りの参考になる。
逆に、敵役のドイツ四号戦車は、パーツは似せているものの、シルエットが低すぎ。恐らくT−72あたりを改造しているのかな? それでもクライマックスバトルでは10両くらい一画面に出てくるので、そんなに作れるとは、かなり金をかけていると思われる。まあミリオタ的には、そんなに作る金があるなら、一台を忠実に再現して、増やすのはCGでいいから! と思ってしまうのだが(^^;)
物語は、実力はあるが、妙な悪運で、部隊がやられたり、乗っている戦車が壊れたりする主人公が、新たに赴任したKV−1で、機械と人間関係トラブルを乗り越えて、伝説を作るまで。そう、ラストの字幕で明らかになるが、本作は『T−35 ナチスが恐れた最強戦車』と同じく、史実を基にした映画(もしかして、ある種のシリーズ?)。本作は、有名なKV−2とはまた別の、「街道上の怪物」エピソードの映画化なのだ。
主人公の奥さんが整備士として同じ部隊に転任して来るところからのエピソードは、たぶんフィクションだろうけど。ちなみに、その奥さんが、こんなジャンル映画のヒロインのくせにおばさん(40代? 色んな意味で本当は20代ってことなのかも知れないが)、というのが斬新(^^;)
真面目なところでは、整備士のくせに技術的な描写がほとんどなく、祈ってただけ。その結果、直らなかったり直ったり、というのは理系人間としては不満。
ラストバトル前、ドイツの装甲車を「戦車」と字幕しているのはいかがなものか。文字数的にも一文字しか違わないのに。