思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『樹海村』☆☆☆

『犬鳴村』に続く「村」シリーズ第二弾。ホラー色は薄めで、特殊メイクを多用した、怪奇ものに近いテイスト。
メインどころに知っている人や、眼福な女優がいなかったのが個人的には乗り切れなかったウィークポイント。スケール感もだいぶ小さくなったので、予算が大幅に減ったのかな? 特に「村」が主役なのに、村の全貌が見えないのが致命的。
途中に出てきた、ある人物の母親役の女優さん、『犬鳴村』の高島礼子的なポジションなのだが、どこかで観たなぁ・・・と思ったら、『冷たい熱帯魚』の殺人犯の奥さん(実行犯)の人! 本作ではあくまでも人の良い母親という役柄なのだが、途中で豹変してブチ切れそうで、ある意味、本作で一番怖かったかも(^_^;)
特殊メイクと書いたが、本作では人体の変容というのがビジュアル面でのテーマになっている。『ジョジョ』のその辺が好きな人(実は作者が一番好きなところで、読者でそこが好き、という人はごく少数じゃない?)には楽しめるだろう。

以下ネタバレ

文字通りの植物人間というか、植物に取り込まれた人間の特殊メイクなのか造形なのか分からない造形物は見事。ある意味、これだけでも本作を観る価値はあるかも。
イントロのユーチューバーの生中継はシリーズの定番にしたいのかもしれないが、ちょっとくどくて鬱陶しかった。カメラもブレブレで見づらい(映画館なら酔いそう)。
ホラーとしては、中盤くらいのとある人物が料理をしていると思わせて、自分の指を切ろうとしている(指を切るのが樹海村の特徴)。それは予想がついたので怖くないのだが、それを見た彼女が、救急車を呼ぼうとしている後ろで、ピントが合っていない(ピントは最後まで前にいる彼女に合ったまま)状態で、指を切った包丁で自分の首を切る、というところが怖かった。