思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

市民ケーン』☆☆☆★
映画史的には、『2001年』と並ぶ大名作とされているので見たのだが、少なくとも物語的にはどこが面白いの? という感じだった。
まずは冒頭のニュース映画で「全然ダメダメやん(´д`)」となったのだが、本編になってからは普通に見られるようになった。
「薔薇のつぼみ」というケーンの遺言の謎を追うが、結局はマクガフィンであって、要するにケーンの人生を親しい人からの取材によって回想する、というもの。
映像的な凝った作りは、現在の目で見ても十分興味深い。特に右奥から中央あたりに歩いてくる奥行きを生かした画面構成が面白い。光と影を強調した画面とか、デ・パルマのような、手前と奥の人物の両方にピントが合っているという、どうやって撮ったの? と思うカットがいくつもある。
物語としては、後で知ったが、ケーンは実在の人物をモデルにしているそう。それが分からないと、大統領を視野に入れて知事選挙に出る、11の新聞といくつかのテレビ局を手中に収めるほどの人物が、実は孤独だったり、愛に飢えていた、という暴露というか、「意外な実像」を描く映画としての意味が分からない。実際、情報ゼロだったので分からなかった。だって、架空の大富豪が実は孤独でした、と言われても「知らんがな(´д`)」という話でしょ。
実は本作のキモは、実在した某氏をモデルにしている、という事を了解しているか、ということでは?