思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

キャラクター

☆☆☆★

タイトルが普通すぎて、忘れそうなのはなんとかしてほしかった。これこそ『模倣犯』とか『コピーキャット』とか。それこそタイトルにキャラクター(個性)がないやないけっ!?
見終わった後で、映画オリジナルとはいえ、脚本が浦沢直樹組の人だと聞いて、さもありなん、という感じがした。
絵は上手いが、個性あるワルのキャラクターが描けなくて一本立ちできない主人公。それが、殺人現場を目撃したのはいいとして、現場から立ち去る犯人を一目見ただけで、魅力ある悪役を描けるようになり、大ヒット作家になる、というのはご都合主義、そんなにうまくいかないでしょ?(´Д`) それこそマンガならそんなに気にならないのだろうが、実写映画としては説得力に欠ける。せめて、絵もキャラも上手いが、欠点として、バイオレンス描写のリアリティがない、とかならまだ、事件現場を見て覚醒した、というのはまだ分かるのだが。
全体に、細部の演出は上手いが、全体的にはもうひとつに感じたなぁ。世間的にはどの要素も全体的に絶賛みたいだが。ミステリ的な伏線や構成は緻密なのだが、そういう漫画家としてのブレイク物語として。
劇伴はオーソドックスだが、割と良かった。
書いた(描いた)ことが現実になる、という意味では、ある種、『デスノート』と共通するものもある。

以下ネタバレ

小栗旬が殺される、しかも三下に、というのは意外で良かった。さらに、最後の対決では、模倣犯であることを逆手に取って、作者もろとも道連れにする、というアイデアは面白い。その前の、警察に連絡して、防弾チョッキを家族に着せるのはどうかと思ったが。
それで、主人公まで殺されかけて、犯人に逆襲しようとして揉み合いになり、とどめをさそうとする主人公を刑事が撃つ、というのもトンデモ展開じゃない? 実は囮家族と同様に防弾チョッキを着ていた、というオチだと感想動画で知ったが、わかりにくいというのは置いといて、分かるようで分からん。そもそも、狙いがそれたら殺人でしょ。しかも揉み合ってる状態で発砲するとは思えないし。