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『Ｔの衝撃』
☆☆☆★

良くも悪くも、ヒットした前作の構成を変えず要素を増やした『２』ものの映画のような内容。
主人公が陸自の情報部員で、四面楚歌の中で奮闘するなど、まったく同じといっていい。
増えた要素は、事件の背景が単なる侵略ではないこと、そして関係者が増えたことだ。
もしかしたらトム・クランシーとかも、何作も読むと同じなのかもしれないので、この作者だけの問題ではないのかもしれないが……。
映画ならそれでもいいのだが、小説ではちと厳しいかな……。ただし、『ゼロの迎撃』を読まずに本作を読むなら、十二分に、日本ならではのハードな国際謀略ものとして楽しめるのでオススメできる。

『模倣犯(２)』
☆☆☆★
前巻末で死んだ二人の過去から現在までが、１巻まるまる使って描かれる。主に実行犯である栗橋のほう。純粋にピカレスク・ロマン、犯罪小説である。監禁のほ状況も描かれるので、彼らが犯人に仕立てられた、という可能性は消えた。
ほとんどサイコパスなので、はっきり言って胸くそ悪いが……。
ただし､頭脳役のピースなる人物は彼を通してしか描かれないので、次巻以降は彼を描くのだろう。
例によって出てくる人物それぞれの一人称的な背景が描かれる上に、同じことを二回以上も書くので長いのだ……(´д｀)
ちなみに、作中に登場するメディアのうち、『週刊ポスト』だけが実在するのだが、そこで連載していたのかな？