思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ヒメアノール


☆☆☆★

日本映画チャンネルの概説だけで見たけど、その枠に入れられていないことがおかしいくらい、「月イチ衝撃作」なみの映画。
主演がジャニーズの森田剛とされてるけど、ヒロインを含めた男女4人がほぼ同格で主役やね。敢えてひとり挙げるなら、ドラマ『アオイホノオ』で岡田斗司夫役をやった人。auのCMなら金太郎。
最初は、ヘタでベタな、素朴な恋愛映画かと思いきや、40分も経ってからオープニングタイトルが出て、不穏なストーカーからの殺人、という急転直下の展開に。
そこからは、恋愛とセックスと暴力、という、主張のマイルドな『宮本から君へ』という雰囲気。
森田剛演じるサイコも、あっさりと次々に人を殺して行くなど、たいていの人が日常でふと抱く不満(時に殺意)を、ためらわず実行に移すようなキャラ。あれで捕まらないのはいくらなんでも、とは思うが。フィクションに出てくる警官が貧弱すぎ問題は本作でも健在。
元いじめれっ子、ということで、観客の教官といか、同情を誘う仕組みになっている。
他にも、4人ともに何らかの傷というか、それぞれに対する弱みがあり、ある種の4すくみ的な構図になっているのも巧みな設定であるを
変なタイトルを除けば、意外と面白かった。ずっと『ヒメ・ノワール』だと思ってたし、それのほうが適当じゃないかなぁ。

以下ネタバレ

主人公が、森田剛のいじめに加担していたというのはありがちだが、実は覚えていなかった、というのもひとひねりあるオチ。普通は、見てみぬふりをしていたほうは忘れていた、となるものだが。