思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『間諜』☆☆☆★

Youtubeの「東映時代劇 傑作」シリーズは、ほんとに傑作揃いでハズレがないよなぁ。
梟の城』が「忍者」映画なら、本作は「スパイ」映画。例の黒ずくめの格好なんて一切せず、あくまでも平民の格好で、任地の庶民に溶け込む。
バレたら殺されたり、拷問されたり、その結果キチガイになったりする。
スタイリッシュな画面・構図も相変わらずで、ほんと、脱帽する。本作の監督は、『大殺陣』の工藤栄一監督とは違うけれど、調べたら撮影は同じ人(古谷伸)だった。主役の頼りない新人スパイを松方弘樹が演じ、田中邦衛がちょっと情けないヤクザをやったりしているが、松方を指導するベテラン間諜の内田良平が格好いい。
あくまでもスパイなので、刀を使った殺陣などはないので、その辺のアクション映画的な迫力は劣るが、スパイものならではのクナイとか、仕込みタバコとか、『進撃の巨人』のような(?)巻尺からワイヤーが伸びて相手を刺すようなアイテムの数々が楽しい。

1964年 日本