思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ベイビー・ドライバー』☆☆☆★

ケヴィン・スペイシーが出ているせいかどうか分からないが、なんとなくリュック・ベッソンの『タクシー』みたいなヨーロッパ製アクション映画みたいな感じがした。後は『シュテーム・アップ』とか。
過去のトラウマから常に音楽を聴いていないと落ち着かない主人公だが、ドライビングテクは天才。・・・というもっともらしい理由を設定しているが、要するに自閉症。ちなみに、ベイビーというのは主人公の犯罪組織内でのコードネーム。
ふとしたことから、というよりこれまた自業自得だけど、犯罪組織のボス(と言ってもグループのリーダーという感じで、小物感じ否めないけど)の車を盗んでしまったことから、犯罪に加担させられることになる。
という設定はどうでも良くて、要するに本作はカーアクションとガンアクションのBGMとして既存のご機嫌な歌物(当然洋楽)を流したPVというか、モロにMTV的な映画の先鋭的な映画。本作では面白いのが、主人公が常に歌を聴いているので、劇伴的に使われている他の映画とは異なり、本作では劇中でもその歌が流れている、ということだ。わざわざ命を狙われている状況でも、盗んだ車のラジオをロックのチャンネル(?)にチューニングするまで発車しないのだ(´д`)

歌物嫌いな私にはどうでもいい映画と言えるので、今まで避けて来たのだ。
そんな私でもなるほどと思ったのが、発砲音をDJのリズム的に扱った終盤のブツ取引シーン。
多くの人が目玉(目的)にするであろうカーアクションは、冒頭のもの最高潮なのがもったいない。ラストの計画のカーアクションと入れ替えたら、かなり観終わった満足感が違ったであろう(★1つは増えてた)のに。
そして個人的にはもちろん、歌ものがゼロで、全てが本作独自のインスト劇伴であれば、☆で1つは上がっていたと思うところ。


2017年 アメリ