思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

スカイライン 奪還

☆☆☆☆

完全に『映画秘宝』案件だ(^^;)
前作『スカイライン 侵略』も色々な意味で楽しめる逸品だったが、本作はマニア好み。序盤はロシアのSF映画みたいな、CGで頑張ってる、良くも悪くも普通の続編。
エイリアンの宇宙船に取り込まれ、脱出した後半は、舞台が東南アジアに(@_@)どうやらインドネシアだかネパールだからしい。こうなるだけでいきなりC級感が漂って来たが、それは間違いなかった(^^;)
ここからは日本の特撮ものみたいな、着ぐるみエイリアンVSヒーローの格闘アクション。ほとんど『ゼイラム』高野、80年代映画なのだ。
ただし、やっているのは(観たいと思いながら未見の)『ザ・レイド』で凄さを知らしめたシラットの使い手なのだ、迫力充分。観た中で挙げるなら、『ブレイド 刀』みたいな感じ。
エイリアンも重火器の類を使わずまた、盲目的に力押しするだけ。問答無用で人間を、吸い込んでいた、前半のスケール感がなくなってしまう。まるで2つの映画を継ぎはぎしたよう(^^;)これまた観てないけど、『プレデター』がやりたかった?
それよりも度肝を抜かれたのが、エイリアンの巨大生態パワードスーツ。ほぼ怪獣映画の絵面で、それがコマ撮りアニメなのだ!(いくつかのレビュー動画やブログを見聞したが、これに触れたものは何故かなかった。)もちろんCGも併用しているが。
この後半は、スタッフが影響を受けた特撮ものを再現してみたい、という執念全開。まるで『トップを、ねらえ!』だ(^^;)
影響を、受けたと言えば、格闘シーンはジャッキー映画の影響も、大。何故かと言えば、エンドロールにメイキング(NG集)があるのだ!(@_@)
基本的にはシリアスな本編とは落差のありすぎるのでズッコケるなだが、そこまでしてジャッキー映画へのリスペクトを表したいのか(^^;) それを見ると、エイリアンの着ぐるみは、鳥足だが、エメゴジとは異なり、外骨格があって、それをCGで消していることが分かったのが興味深かった。
なお、エンドロール曲はハリウッドか香港アクション(ちょっと川井憲次成分入ってる)っぽくて格好いいので、サントラ買おうかと、思ったのだが、この映画、大作でもないのに珍しくサントラが出ている……と思ったら、何故かエンディング曲が入っていないのだ(´Д`)
ストーリー的には、メインの登場人物かと思ったら、容赦なく死んで行く先の読めなさが良い。これだけで☆は評価上がった。
C級映画に突っ込むのも無意味だが、宇宙船内で生まれた息子の娘(主人公の孫(^^;))が、やたら成長が早い。何も食べてないのに半日かそこらで3歳くらいに成長。一見、エイリアンと人間のハーフだから……と納得しそうになるが、これ、主人公の息子と恋人が拉致される前の妊娠でしょ?
東南アジアの基地に行ったあたりで一瞬、誰か分からない大人の女性が映る。これ、エンディング前に明らかになるが、この娘が成長した姿で、要するにフラッシュフォワード。何故こんな演出を??(@_@)
最後の最後に出る原題は『beyond skyline』なかなかナイスなタイトルじゃないか。