思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『歴史問題は解決しない』

「外国から強制されるような国は主権を有していないことになるからだ。外国の干渉を排し続けることそのものが、主権国家の自己証明なのである。」

アメリカ合衆国は差別戦争観、すなわち正義の戦争があるとする考え方を信じている。この考え方の幼稚で危険なところは、自分の行う戦争は常に正義で、相手が悪魔になりかねない。悪魔との妥協は許されないし、アメリカ人にとっての戦争とは犯罪者を退治する保安官の構図になるのだ。
 現実の保安官のがインディアン狩りで何をしたかは、世界中の誰もが知っている。」

「日本がヨーロッパ人のつくったルールでうまくゲームをこなせるプレーヤーになったとたん、ルールそのものを破壊するアメリカが世界の覇権国家となった。
 これは人類の不幸であったと断言してよいだろう。拡大された決闘としての戦争にはルールがある。紛争はルール無用である。」

歴史問題は解決しない歴史問題は解決しない
倉山 満

PHP研究所 2014-01-25


吉越浩一郎『デッドライン仕事術』を読む。

『「残業ゼロ」の仕事力』などと似たような内容ですが、復習も込めて読んでみました。
印象に残ったところ。

「元祖であるホンダの「ワイガヤ」というのは、全社員を対象にしたものではない。もともとは、役員同士のコミュニケーションを深めることが目的だ。」

「「終わらなければ残業すればいい」と思っているかぎり、必ず残業することになる。」

「「効率が上がれば残業はなくなる」という発想では絶対に効率化は進まないということだ。逆に、「残業をなくせば効率が上がる」と考えるのが、もっとも現実的な対処法だと私は思う。(略)どうしても5時に帰らなければいけないと思えば、効率よく仕事を処理するための工夫もするし、いわゆる「火事場の馬鹿力も出るのである。(略)「火事場」はめったにないから馬鹿力が出るのだと思うかもしれないが、(略)常に残業が許されない状態で働いている人は大勢いる。(略)「火事場の馬鹿力」も、毎日のことになれば習慣化して苦もなく発揮できるようになるのだ。」

「デッドラインの基本は「明日」(略)仕事は発生した瞬間に取り組むことで、一番、効率が上がる。」

「無駄な会議というのは(略)わざわざ全員が顔を揃える必要はない。報告内容を一覧表にして、メールなり何なりで全員に回覧すれば事足りるだろう。 つまり、報告をするだけなら、わざわざ集まって会議をする必要はないのだ。担当者の報告に対して、管理職が鋭く突っ込みを入れ、担当者の判断通り進めるのか、修正を加えるのか、修正を加えるとすれば、なぜそれが必要なのか、といった最終判断にいたるプロセスをみんなが共有することに、大事な意味があるのだ。(略)「終わったこと」を淡々と確認するような場ではなく、「これからの行動」を精力的に推進していくための真剣勝負の場であるべきだ。」

「会議は「物事を話し合う場」ではなく、「物事を決める場」なのだ。そこを勘違いして、みんなで話し合おうとするから、会議は無駄に長引くのではないだろうか。」

「たとえば新製品のネーミングのようなクリエイティビティの求められるテーマであっても、その商品の担当者が一人で考え抜くほうが正しい。その新商品に対してもっとも情熱を傾けている人間が、ヒット商品を生み出したい一心で必死に考えたアイデアのほうが、絶対にインパクトがある。」

デッドライン仕事術 (祥伝社新書)デッドライン仕事術 (祥伝社新書)
吉越 浩一郎

祥伝社 2007-12-15