思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『キル・オア・ダイ 究極のデス・ゲーム』
☆☆★

原題は『マフィア』。ロシア映画である。未來、多数決によって10人の生死を決めるテレビ番組が人気を拍していた。
今回の中で生き残る(勝ち残る)のは誰か? という話なのだが、映画がそこから始まるのはいいとしても、誰に感情移入するとか以前に、どんどん投票&死亡者が出るので話にノリようがない。
まんま『ライアーゲーム』みたいな設定なのに、嘘を見破る探り合いや、グルになったメンバー、ルールの裏をかいた戦略、などがほとんどない。共謀らしきことはあるが、ほとんど大勢的には意味がないのだ。
そもそも、このゲームのルールじたいもトンデモで、市民かマフィアかをランダムに分けるだけで、死んだのがマフィア
でも市民でもペナルティはない。何ターンかすると、さらにランダムで死者が選ばれる。なんでこんな番組に参加しようと思うのか、理解に苦しむ。そもそも、勝ち残るとどうなるのかもよく分からない。アヴァン・タイトル的に、普段の番組が最初から最後まで見せるべき。
SF的には、脱落者が死ぬのは良いとして、犠牲者の精神内容か『マトリックス』的なバーチャル世界を視聴者に見せること。百歩譲って、犠牲者だけが体験するならいいけど。最後に拘束を解いて二人が死の球体に入ると、絶対に逃れられないであろうバーチャル世界でトラップを潜り抜けること。ご丁寧にモンスターにも弱点があるって……ってことは投票で破れても死なないこともあり得るの? 子供向けのご都合主義アニメみたいな杜撰な脚本なのだ。
ロシア映画ということを除けば、分かりやすいC級作品。CG予算はそれなりにかかっているようだが……。


数学ガールの秘密のノート 式とグラフ』結城浩
☆☆☆★
基本的な数式(恒等式とか)とグラフについて。文系や、中学生でも、ある程度基本知識があれば楽しめる。ちょっと物足りないくらい。
あからさまな萌えというか、読者に媚びたような美少女風描写が気になる人は、読み飛ばせるように固まっている親切構成(^_^;)
唯一、知的興奮を覚えたのは「比例と反比例のグラフ」の「反」とは
「比例のとき Y÷X=A(一定)
反比例のとき Y×X=A(一定)」
ということ。
Y=A/X
というお馴染みの式からは考えもしなかった対称性があったのだ。

吉田典生『部下を自立させる上司の技術』を読む

印象に残ったところ
「学習したことの成果が評価の対象になるという、ほんらいごく当たり前のことを実践」
「4つの報酬
名誉報酬
対人関係報酬
成長報酬
金銭報酬」


中原淳『残業学』を読む

印象に残ったところ

「マネージャー自身も忙しいと、どうしても「放っておいてもできる部下」に仕事を任せたくなります。そうすれば、その部下のことをあまり見なくても仕事が回り、任せられた部下の側も放っておいてもらえる。(略)中期的には(略)できない部下はいつまでもできない」

「組織開発において、まず取り組むべきは「見える化」です。(略)次に行うべきは、「関係者が一堂に会して真剣勝負の対話」を行うことです。(略)最後は自分たちの組織、チームをどうしていくのか、どうしたいのかを当事者たちが自分事として決めていく「未來づくり」です。」

「「会議のムダ」に強く影響していたのは、「会議が終わっても何も決まっていない」「終了時刻が延びる」という状況。(略)事前準備や目的の明確化などの「始まり方」は、ほとんど関係ありませんでした。(略)何よりも「終わらせ方」こそが会議のツボのようです。」