思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

林文子『部下を「お客さま」だと思えば9割の仕事はうまくいく』

女性にして数々の会社でトップセールスマン、2005年からダイエー会長、そして2009年から横浜市長として全国ワーストから、待機児童ゼロを達成した著者。

「たとえ部下にやる気がないのがわかっていたとしても、その事実を指摘するのは意味がありません。上司の仕事は事実を暴き出すことではなく、部下に「希望を持たせる」ことなのです。」

「部下が「こんなふうに進めようと思っています」と、仕事のやり方について報告してきたときに、上司は自らの経験をもとに「それよりも、こうしたほうがいい」と教えてあげたくなります。 けれど、方向性が大きく間違っていなければ、「このやり方が一番いいのに」と思ったとしても部下が選択した方法を尊重し、まずはやらせてみることが大切です。(略)選択した方法に対し全力で取り組めるよう、部下を助けることです。」


『航路(上)』
☆☆☆

一見『ターミナル・エクスペリメント』のようで臨死体験(あの世)を扱っているが、これ、ほんとにSF?『SFが読みたい!』で上位にランキングされていたが、今のところ、中間小説か、医療サスペンス、という感じ。人工的に臨死体験をしたら、タイタニック号の沈没らし2場面が何度も出てくる、というあたりは『修羅の終わり』などに代表される生まれ変わりもののミステリーそのものだ。結末次第で、本作がミステリーなのかSFなのか、単なるファンタジーなのか、予断を許さない(でも、読む気は微妙なんだよなあ…)。
映画の話題などが豊富で、軽妙な会話も多い。アメリカのブロックバスターらしいが、純粋なSFなら上下巻合わせて4ページ(つまり三分の一)で充分だろう。まるでアメリカのテレビドラマシリーズを一シーズンぶん(24話)小説化したようなボリューム。