思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

すもももももも


☆☆★

20年前くらいに買ってあったDVD。いや、取っておいて良かった。歌手デビュー前の浜崎あゆみが助演女優として出てるから、プレミアがついててもおかしくないんちゃう?(調べてないけど)絶版みたいだし。
ただし、画質はビデオテープ並みで、決して良いとは言えないけど。
他の人の評判を見るためにネットを調べていたら、どうも大槻ケンヂのフェイバリットらしい。
当時買ったのは、主演の持田真樹目当てだったので、内容は面白くない、程度の記憶しかなかった。
だが、改めていち映画として虚心に観てみると、なんとも変な映画だ。大林宣彦や、鈴木清順っぽい、幻想映画なのだ。
序盤こそ、ちょっと反品行方正的な、学園青春映画なのだが、持田真樹がケガをして手術室に入ったあたりからおかしなことに。制服を着て授業を受けない不良男子が、手術中に入って来るが、誰の目にも見えていないのだ。
どうも、ここから持田真樹が死んだ世界線(火葬場で荼毘に伏される)と、家に帰って、遺書を残して、列車で田舎に出かける世界線の、2つに分かれるらしい。しかも、後者では姉妹らしい浜崎あゆみが登場しない。でも、家の二段ベッドとかはそのまま。
さらに、後者は、幼少期の自分と駄菓子屋で遊んだり、校舎の階段で力尽きたりと、さらに二つ分岐する。
このへんが、どのルートが真実なのか、「正解」が存在するのかどうか、ちょっと気になるが、敢えてひとつに絞れないようにしているようにも見えるんだよなぁ……。
なお、このDVDには、約30分のメイキングが収録されていて、当時二十歳前後のキャストたちの素の顔や、リリカルなモノローグを含めて、一つの作品としてパッケージングされているようにも見える。
ちなみに、本作には原作マンガが存在するのだが、こうなると、どこまで忠実なのか、かなり怪しい。
当初の目的である、持田真樹映画としての評価だが、普通の映画とは逆に、中盤までは割と暗い表情だが、死んでから、中でも雪国へ最期の旅をするシーンは、まるでアイドルのイメージビデオのよう。特に、駅のホームの鏡に向かっての笑顔は絶品!
髪フェチとしても、画質が悪いのが返す返すも残念だが、それでもストレート・ロングヘアは、映画史上ナンバーワンと言っても過言ではい美しさ。