思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

グッドバイ・バッドマガジンズ



☆☆☆

日本映画チャンネルの「月イチ衝撃作」だったが、今回は大したことなかった。アダルトビデオ業界に入った新人女性を描いた『18倫』よろしく、雑誌編集者を目指して入社したら、エロ雑誌担当に回された女の奮戦記。『顔のない女たち』にも似ているかも。
実話を元にしている、という触れ込みだが、それが間違いではないのは、東京オリンピックを契機に、コンビニからエロ雑誌が消えた、つまりは発行部数の減少、つまりは経営危機、という流れくらい。ほとんどは、お仕事ものとしての、あるあるネタといえる。そういう点では『SHIROBAKO』とも同じかも。
映画としてしょうがないかもしれないが、登場する元AV女優の作家や、現役AV女優よりも、いち編集者である主人公のほうがかわいい、という問題はあるなぁ……。
それよりも、本作が「衝撃作」枠になっているのは、男女関係とセックスの関係の根本をテーマにしていること。
……とは言え、『セフレの品格』じゃないけど、普通に愛のないセックスというか、遊びのセックスを描いているだけ。アート映画というか、ソフトストーリー的に突っ込めるテーマなんだけどなぁ……。
ピンク映画としては、胸は見えないし、コメディ映画としても、そんなに笑えない(全然面白くない訳ではないけど)ので、やはり、変わった職種のお仕事もの、と見るのが妥当。

以下ネタバレ

こういうネタを扱うと、『完全なる飼育』みたいに、クライマックスで刃傷沙汰になるのはもう、お約束で、意外性もゼロではないが、「またこのパターンかよ」という食傷感が8割くらい。
とは言え、職場の二枚目カメラマンとベッドに入ったところで場面を変えて、その後に回想で、その後に奥さんが闖入して切り付けていた、という構成は面白かった。最初から、奥さんが露骨に病んでいるような目をしているのも良かった。