思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

悲しき天使

☆☆

売春宿の女に恋した男の話。こういう話は、ある意味で全く意外でもなんでもないというか、売春宿に行くような奴は(もちろん私も含めて)、そこで働く女にぞっこん惚れてしまって当然。むしろそうならないほうが不自然、というくらい。これはホステスとかホストのクラブ通いの場合も同じ。
本作では、遊女側の人間模様と、主人公以外の、やってくる男にも2,3人のパターンを用意して、群像劇っぽい感じにしている。
こういう映画の主人公はえてしてダメダメ人間がなのだが、本作では、過去にヤクザに逆ギレしてナイフで刺したことがある、という妙に芯の強いところがある。そんなことでターゲット層はモテない男子であろうのに、たぶんそちらには全然感情移入できない設定にしているのはいかがなものか。
かと言って女性陣といえば、あるあるの嫉妬からの掴み合いのキャットファイトがあったりして、こちにも共感しづらい。
クライマックスに刃傷沙汰になるのも、ピンク系の文芸映画のお約束なのか。文芸というのは、途中に店の女のひとりが元教師で、かつての教え子がやってくるが、彼は知恵遅れで、切れると暴れ出す……なんていう、エンタメ映画なら、地雷になりかねない展開を放り込んでいるところ。
知恵遅れといえば、店長の娘もそうなのだ。が、特に初登場シーンが強烈なのに、店の女と区別がつけづらかったり、もうちょっと説明が欲しかったところ。
そうそう、こんな設定なわりには裸のシーンが少ないかな……。まあ、ピンク映画の濡れ場は滅多に真面目に観ないけど(^^;)早送りするくらい。