思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ミッドナイト・マーダーライブ


☆☆☆★

YouTubeの『シネマンション』で「未体験ゾーンの映画」紹介で知ってから、気になっていた一作。
深夜ラジオにかかってきたお悩み相談電話に、DJの家族を人質に取った、という電話が。
生放送のラジオに犯行声明がかかってくる、というのは、『太陽を盗んだ男』を始め、よくある設定。
メル・ギブソンが、傲岸不遜なキャラを演じていて、どうも共感できないが、やはりメルギブ(演技)力のなせるわざなのか、いわば誘拐ものの一種なので、サスペンスだけで引っ張られて、珍しく一気見してしまった。
そもそもがラジオで、犯人の姿も映画には映さず、声だけなので、「これ、ラジオドラマでいいんじゃないの?」と思いながら観ていた。『ラジヲの時間』なんかよりも、よっぽどラジオドラマ的な内容だ。
もちろん、終盤に行くに連れて、ビジュアル的な見せ場も増えて来るのだが。
何も知らずに、テレビで始まるのを観たら、楽しめそうな作品。

以下ネタバレ

なぜなら、本作は多重どんでん返し系映画であるからだ。
新人AD(ミキサー?)に仕掛けた、犯人役まで込みのどっきり企画というのが一発目。彼が階段から転げ落ちて死ぬ、というのが二発目。それで、どっきり大成功だとはしゃいでいたメルギブがどん底になっていたところ、ADが死んだフリをするところまでが、メルギブを騙すための逆どっきりだったことが明かされるのが最後のどんでん返し。これは面白い仕掛け。観ながら、警察への協力をしない(通報はするが)こととか、不条理だと思っていたが、最後まで観れば解消する。
ネタバレになってしまうが、ハリウッド版の『スペシャル・アクターズ』やなあ、というのが見終えた直後の感想だ。