思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

イワタ・レイジング

☆☆☆☆

約20分の短編SF映画
謎の存在「イワタ」は、神でもあり、ミームでもある。「イワタ」によって発生した爆発事故を調査していた組織の二人は、爆心地にいた4人目の女の行方を追う。
いかにもSF短編小説(映画の間違いではない)らしい、仄めかしに終始して、結論を出さない構成が、短編映画にマッチしている。
字幕を多用したり、モキュメンタリー風のインタビューの挿入、スタイリッシュな、望遠レンズを多用したショットなど、かなり庵野秀明的。短編という点では、『ガメラ1999』(庵野秀明による『ガメラ3』のメイキング)や、『巨神兵東京に現る』に近い。
「イワタ」が、学生服にペプシマンみたいな顔というチープさは、いかにも低予算映画らしくて微笑ましいが、凹凸のある浮かぶ球体をうまく使うところなどは、SFセンスのある証拠。
キャストも、ほぼ自主映画にしては、ヘタウマというのか、味のある演技・演出になっていた。
なお、タイトルは宇宙人の日本での名前「岩田玲司」と、英語の「イワタ RAGING」のダブルミーニングになっている。