☆☆☆★
サザエさんだねぇ。ストーリーは、24になる笠智衆の娘の岩下志麻を嫁に出す、というだけ。
描かれるのは、サザエさん的な日常（精神的）ドタバタユーモア人情ドラマ。
全体としては、友達どうしで酒を飲んでいるだけの頼りない男たちたちと、しっかりものの女性、という人間観だ。
特にドラマチックな展開はないが、それでも観られるのは、基本的に喋っている人を正面から撮るので、わかりやすさと、望遠レンズを多用した圧倒的な構図の決まり方だろう。細かいところでは、廊下になると、必ず左にゴミ箱とか、円柱状のものが置いてあるのが楽しい(^^;)
また、必見なのが、若き岩下志麻の美しさ。まさしく、まるでお雛様みたい、と言うに相応しい整った綺麗な顔だ。
あと、タイトルだが、作中には秋刀魚の「サ」の字も出てこない。ラストシークエンスが秋、というだけなのだ。また、小学生の唱歌を背景に流すだけで、時間の経過（これが秋の歌）を解らせる、大胆すぎる省略も凄い。
劇伴は、なんか気の抜けたような、いかにもBGM的なものが多かったなぁ。
