思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

アポカリプト(再)

☆☆☆☆

ムービープラス」の「副音声でムービー・トーク」で鑑賞。
裏話としては、途中で追いかけて来る黒豹が合成ではなく本物(!)だということに驚いた。
あとは改めて、全カットの絵ヂカラというか、絵の深みがあることに感心する。肌が褐色なので、それたけで深みがあるし、顔も「濃い」。おまけに、顔から身体から、物理的入れ墨というか、わざと傷をつけて、その傷跡が盛り上がることで模様を作るという、強引極まりない装飾もある。
中身は、観たことある人なら、誰しも『ランボー』プラス『マッドマックス』プラス『プレデター』であることは分かるだろう。
あとはトークで、前半と後半でトーンと、フィクションのレベルが変わることも、再確認させられた。
でも、『パッション』を撮ったメル・ギブソンなら、前半部分だけで、主人公が生贄にされるところで終わるという展開でも充分あり得た(^^;)
でも、脱出と救出に成功しても、ラストにやってきたスペイン人の上陸&侵略によって、徐々に、もしくは間もなくみんな死ぬ運命にあるのだが……。
ラストカットに「マヤ族は、スペイン人および彼らが持ち込んだ病原菌によって何年後に滅びた」という字幕を入れるだけで済むのに、敢えて何ひとつ説明を入れていない。アメリカ人のみならず、世界中の人が観ることを考えれば、補足を入れるのが妥当だと思うのに。世界各地の人の世界史学力を過剰評価しているのか。それとも、スペイン人の一団の中にいた宣教師の十字架を強調することで、主人公の属するマヤの片方の部族にだけ、「神の救済」が訪れたと誤解される勘違い野郎が出ることを仕向けたのか。はたまた、キリスト教原理主義的な、『パッション』を作ったくらいだから、神を信じない蛮族をキリスト教が浄化した、とでも思っていたのかも。