☆☆☆★
『スターウォーズ』以来、(軽度の)アクション俳優になったリーアム・ニーソン主演の一編。邦題通り、アメリカの電車で謎の指令を無茶振りされる、という話。
通勤電車とは言え、そこまでぎゅうぎゅうでもないので、日本で言えば、埼京線(今はそう呼ばないのか?)の大宮発横浜行き、JR西日本の姫路発草津行きみたいな、アイターン型の通勤電車のイメージ。
いつものように電子に乗っていると、出し抜けに対面に座ってきた(クロスシートなのだ)のが、『ゴジラ KOM』の母ちゃん。車内のどこかにあるカネを受け取り、いつも乗っている人ではない人を見つけて殺せ、さもないと家族の命はない、というのだ。
なんとなく『ミッション8ミニッツ』を連想させなくもない展開。てっきり通勤時かと思っていたが、帰宅時ということで、必要以上に意識させる窓の景色も、夕暮れのセピア色(合成なのはバレバレだが)で飽きさせない。
ミステリーとしては、面白い謎だが、本格ミステリとしての面白さというよりも、B級娯楽映画としての勢いだけ、という感じ。それて充分なのだが。終盤には、せっかく電車に乗ってるんだから、とばかりに乗り物パニック映画になるサービスも。最初から最後まで飽きさせない、娯楽映画のお手本的作品。
リーアム・ニーソンの顔が、鼻が尖っていて、見るに耐える顔なので、やたらドアップを多用したカットの連続でも絵になる、というキャスティングの妙も大きい。
以下ネタバレ
ターゲットたる「プリン」が誰かということがミステリーとしての主眼だったのだが、怪しいと睨んだが、やっぱり違ったというのが続いて、さらに途中でプリンではなく、暗殺者が出てきたりして、なんかどうでもよくなる(^^;)
とりあえず集中力が途切れるころにアクションを入れとけ、的な構成。
終盤には、乗り物パニックとしてのお約束として、脱線の危機が唐突に訪れる。脱線確実な速度なのに、直前で最後尾だけ切り離したとて、脱線することは変わらないと思うが、そこは映画的ご都合主義。なんとフランジ付きの電車の車輪なのにバラストの石をドリフトしながら横転もせずに全員無事(@_@) 鉄道ファンなら、ここでどっちらけ(´Д`)
さらに、何故かここで窓を新聞紙で塞いで、人質事件みたいになる。脱線危機を乗り切っててから、さらに20分くらい続くのだ。
それまで、犯人がなぜ主人公の行動をまるで見えているかのように把握しているか謎だったが、最後まで分からなかった(単なるハッタリだったのか)。