思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

シルクロード.com

☆☆★

原題は『SILKROAD』。アメリカで、非合法なドラッグなどを扱う、闇のアマゾンみたいなサイトがあり、その運営者を逮捕するまでの、実話を元にした映画。
事実なのかもしれないが、彼を追っていたのが、精神病院から出てきたばかりの、ちょっとおかしいやつ、というのはどうにも感情移入できない。
冒頭に、容疑者を逮捕する直前らしきシークエンスがあるが、そこは単なるツカミ。容疑者である主人公が、闇サイトを作るところまで時間が遡る。
いちばん知りたいのは、どうやって闇サイトを構築、運営するか、というところなのに、本作ではそこがほぼ完全にスルーされるのだ。これはダメでしょ(´Д`) そりゃ、警察も裁判でも詳細は公表しないだろうし、裏ルートで取材も難しいのかもしれないが、具体的な内容は描かなくても、ひとつひとつのプロセスや、それをクリアする過程こそがドラマになるんじないの??
序盤であっさりと闇サイトは運営を開始して、しかもトラブルらしいトラブルもない(絶対にあったと思うが、少なくとも映画には出てこない)。
じゃあ、なにが描かれているのかと言えば、追われる者と追う者の人間ドラマ。
でも、それは観る動機ではなかったので、それがはっきりした中盤以降は早送り(^^;)
追うほうといえば、デジタル機器は全く素人で、サイバー犯罪課に、半ば左遷みたいな形で配属された、というのが面白い。でもこれ、ホンマ? 映画的な脚色じゃないの?

以下ネタバレ

というか、冒頭に逮捕直前シーンをもってきてるんだから、ネタバレもクソもないわけだが。まあ、それを逆手にとるサスペンスもあるので、単純に決めつけできないけど。
実話ベースだとしたら、面白いのは、刑事のほうが、違法捜査を使ってまで犯人を捕らえたので、自分も再び刑務所送りなったこと。ラストに、犯人と同じ刑務所ですれ違って会話を交わす、というのは流石に裁判期間や刑期とか考えるとあり得ない気がするので、もしかして拘置所