思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム

☆☆☆★

なんか、邦画みたい。しかも、邦画の悪い面がまんま再現された。
過去のシリーズはほぼ未見だから、過去作の敵が再登場しても、特に感慨はないし。
MJ(って何やねん!? と思ったが、キムタクみたいな略称かな、と自分を納得させた)も、映画的魅力として、主人公の恋人というより、幼馴染という感じだし。
過去の敵の一人であるグリーン・ゴブリン。スーツのデザインもダサければ、乗ってるメカもダサい。中の人は『ゴッホ』の種やとかもやってる堂々たる俳優陣ウィリアム・デフォー。かれがこんなダサいスーツを着ているのは間抜けだよなぁ……。
さらに言えば、CG感丸出しのスパイダーマンの動きも、とてもハリウッド・クオリティとは思えないんだよなあ。質量を感じないというか。

以下ネタバレ

そもそも、時空を歪めて迷い込んできた敵を、送り返すと死んじゃうから、悪い奴でなくしよう、という発想じたいが日本的。しかも戦隊ヒーローかプリキュア、もっと言えば、幼児向けの教育テレビなみの発想なのだ。よく言えば理想主義だが。敵を治す薬が都合良く作れたり。
過去の主人公だったスパイダーマンまでが現れて共闘する、というのは楽しいが、因縁ある敵とそれぞれ戦うわけでもないので、過去作を未見のわたしでも、そのへんのカタルシスや燃える展開とはいかないと思えた。
全てを終えたあとに、空の時空の裂け目が出来ている、一刻を争う状況下なのに、ひとりひとりと別れを惜しみ、あまつさえ恋人とは長々とラブシーン(?)をやるあたりは、邦画の最悪な演出そのもの。
エピローグで、人々からピーターの記憶がなくなった世界で、MJをナンパするのも、なんか危ないヤツにしか見えないし。そもそも、そのあたりの展開が『まどマギ』のパクリのように見えて、ここでもやっぱり最近の日本のマンガ/アニメを強く意識させる。