『グッドライアー 偽りのゲーム』☆☆☆★
私にとっては『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフ(=イアン・マッケラン)が主演というところに惹かれた。
ただし、解説と邦題を見ると、ネタバレというか、内容が予想できてしまうのが最大の問題。
まあ、イアン・マッケランの金融詐欺師としての面と、老婆にひ弱な老人としての二面性を演技で見せる、というのが普通の楽しみ方か。それだけでも☆☆☆★としての価値はある。
一言で言えば、老練の男女の達者で幅広い演技を堪能する、という映画。
以下ネタバレ
ネタバレ問題とは、ゲームと書かれてしまうと、老女(ヘレン・ミレンにはあんまり馴染みがないから、目の小さいばあちゃんとしか認識できないけど)の方にも絶対に騙す意図があって、それが最後に明かされるんだろうな、というのが観客に前提として刷り込まれてしまうこと。
そんなことで、私も最初から伏線を見つけるつもりで見ていたのだが、これが伏線らしい伏線がないんだよねぇ。
おまけに、その動機も、老女の方も詐欺師、というならともかく、幼少期にイアンとの関係があって、その復讐とは。描かれてないんだから、絶対にわからんやん!?
終盤にはイアンの過去を暴く回想シーンがあって、それにもウソが紛れている、という忙しいツイストが2つある。この辺は、邦画とかによくある、どんでん返しのためのどんでん返し、というか、後出し的に情報を隠しておく、悪い面が出ていると思う。
まあ、ラストにはイアンがヘレンの仲間にボコボコにされて廃人にされる、という胸スカ(やりすぎ?!)オチなので、その辺も含めて、ある種のコントというか、悲喜劇というか人間ドラマとして楽しむべきものか。
2019年 アメリカ