思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ショウダウン


☆☆☆★

フィリピンが舞台(イコール・フィリピン映画というわけでもないらしい)。原題は『ショウダウン イン マニラ』という、なんかダサいもの。ちなみに、ショウダウンの意味は、てっきりポーカーとかの開示、という意味かと思ったが、そこから転じて「決着をつける」という意味らしい。
監督とプロデューサーは、チョイ役で出演もしている、マーク・ダカスコス。
全体のトーンは、明らかに低予算感満載。最初は、ギャングのアジトに警察の特殊部隊が突入するという、どちらが先か不明だが、めちゃ『ザ・レイド』にそっくり。本作においては、決着は5分くらいでつき、『レイジング・ファイア』に近い構成だった。
主人公は風貌も戦いかたもなんかセガールみたいな雰囲気で、相棒は『スターシップ・トゥルーパーズ』の主役の人。二人は警察を辞めて、私立探偵として、警察からの汚れ仕事を引き受けたりしている。
フィリピンのギャングに元FBIの夫を殺された女が、女刑事の紹介で、主人公たちのもとへやってくる。そこからは、二人がギャングのボスを探し、捕らえる。最後は、ジャングルのアジトへ強行突入するという、この手の映画で何度見たか分からないシチュエーションに。80年代に作られたのかと錯覚するくらいのアクション映画だ。
面白いのが、アジトへ突入する際に、主人公が馴染みの傭兵たちを招集すること。伏線も何もなく、唐突すぎる展開だが、なんか『ランボー 最後の戦場』をやりたかったのだろうか。しかも、本作ては、味方は誰一人死なないし。まあ、敵は見るからに強くなさそうだったが。敵のボスは、日系人で、ハゲおやじで、これまたまるてま強くなさそう。こちらも負けじと、主人公たちが突入する前に中ボス的な女戦士が登場する。主人公の傭兵部隊に女が一人いるから。この女というのが、紫の髪のおばちゃんで、大丈夫か? と言いたくなるのだが、このひと、『エクスペンダブル・レディズ』にも主人公級で出ていた、ちゃんと格闘技のできる人らしい。本作を見るかぎり、それを堪能できるアクションはなかったのだが……。
話を戻すと、ギャングの女が出てきたのは、どう見ても女戦士同士のタイマンがあると思うのに、それがないのだ(´Д`) しかもギャング側の女は、いつやられたの? というくらい見せ場もない。
本作は基本、ガンアクションが主体。冒頭の建物突入シーンでは、銃の反動がなく、Vシネ程度の予算なのかな、とガッカリしたか、クライマックスでは、引きのカットでは排莢ギミックのあるモデルガンだが、アップでは反動のある(本物?)銃を使っていて、少なく予算をやりくりして頑張っている事が窺える。
内容とは全然関係ないが、フィリピンは、ロングヘアの女性が多いので、ちょっと眼福ではあったかな(^^;)

以下ネタバレ

ラスト前まで書いておいてネタバレもクソもないが……。
捕らえてきたギャングのボスと片腕の男を、依頼人の女は、夫の敵と、躊躇わずに射殺する。主人公たちのみからず、女刑事もいる前で、だ。しかも、女刑事は彼女を逮捕するわけでもなく、普通に見逃しているのだ。これがフィリピン・スタンダードなの??