思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

仕掛人藤枝梅安2


☆☆☆

前作のエンドロール後のヒキが、予告編扱いだったように、本作は京都で、椎名桔平(^^;)(どうしてもら『トリック』ファンとしては笑ってまうんよなぁ……。)を敵討ちする話。
そちらは彦さんの話になるので、それだけだと弱いと思ったのか、梅安さんの敵として、佐藤浩一が悪者として出てくる。同じ種類の映画である『イコライザー2』と同じく、こんどは同業者と戦うという、正統派(?)続編だ。
プロットが2本あるし、舞台も京都から江戸に移り、時間も2、3年経つので、娯楽映画としては普通に楽しめるのかな。評判は悪くないみたいだが、私的には、良くも悪くも何も引っかかりのない作品と感じた。
前作では、仕掛けは夜とか、人気のないところでやっていたのに、本作では、人通りのあるすぐ横でやってたりと、けっこう杜撰。まるでシリーズ3作目かそれ以降のような杜撰な作りだ。
椎名桔平は、京都の町を荒らし回って、金や女を集めてくる、誰が見ても同情の予知なくぶち殺せる悪者なのだが、それにしては、強姦シーンでは漏れなく服で胸も見えない、というのはなんだかなぁ……。少し『雲霧仁左衛門』を見習ってよ。
高畑淳子演じるお手伝いさんは相変わらず良かった。後は、前作の天海祐希に相当する、時代劇的な演技を支えるキャストがいなかったのも残念。

以下ネタバレ

悪い椎名桔平だが、梅安さんが会ってみると、真摯な武士(変な表現だけど)で、あれ? と思わせるのだが、実は双子でした、というガックリくるオチ。しかも、双子であることの伏線は特に回収されないのだ。前作みたいに、子供時代に遊んだ描写とか、善と悪に道が分かれた理由とかも一切なし。