思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

エンドオブウォッチ


☆☆☆★

ネタバレかもしれないが、この映画の感想をひとことで言うと、「死んでへんのかーい!?」(^^;)
どんな映画かと言えば、ロス市警のパトカー警官の日常を手持ちカメラで撮影したもの。
手法としてやっかいというか、意味不明というか……。フェイク・ドキュメンタリーというには、主演のジェイク・ギレンホールが有名すぎて誰もノンフィクションとは思わないし、主人公が撮影マニアということで、勤務中にビデオを回しているのもあり得ないだろうし(特殊部隊のガンカメラみたいなのならまだしも、私物なのだ)、『search』みたいに、固定カメラの映像だけから構成されたものでもない。POVとして、主観映像でもない。どれも中途半端で、唯一残るのは、全カットが映画的な固定カメラで撮られていない、ということくらい。
映画館で観たら、手ブレ画像に絶対に酔いそうで、まさに唾棄すべき映画(^^;)
日常と言っても、『新宿警察24時』みたいに、とりわけ過激な事件ばかり起こる。ノリとしては『ボーダーライン』みたいな感じ。
暴力、銃撃、殺人などのハードな勤務(彼らはお巡りさんなので、パトロールと発見が主な任務で、捜査はしない)と、バカでふざけたな日常、そして家庭や恋愛が交互に描かれる。
私的には恋愛はいらないと思ったが、次第に不穏さや、遭遇する事件も闇に踏み込んでいき、クライマックスでは頂点に達する構成は、娯楽映画としては文句ない。
序盤からヒスパニ系マフィアとして過激な行動をする男女が描かれる(こういうところも、本作がファウンドフッテージではありえないところ)のだが、そのボスである女がめちゃ怖い人で、シーマ様の実写版? という勢いだった。


以下ネタバレ

本作の特性として、説明セリフもテロップもないので、一度で全貌を理解するのは難しい。先述のマフィアたちが、序盤に主人公たちがメキシコ人身売買の人間倉庫に踏み込んだ時に、出入国管理局だかなんだかの怖い役人に「いらんことすんな」と言われた結果である、というのも、感想動画を漁っていて気がついたくらい(^^;)
クライマックスの銃撃戦は、『ザ・レイド』もかくや、という激しさで、燃える展開。
YouTubeで観た(公式のね)ので、その前の、新人婦人警官の顔がボコボコになったところや、巡査長(?)の目にナイフが刺さっているところがボカされていたのが残念。そういうところこそ、「リアルな警官の『日常』」であり、本作で描こうとしたキモなのに……。
それで、この感想の冒頭の記述。マフィアたちにAKで乱射されたのに、死んだのは相棒だけで、ジェイクは死んでなかったのだ。別に主人公を殺さなくてもいいけど、それならば死んだと思わせるくだりはいらなかったんじゃないかなぁ。タイトル(原題も同じ)とのシンクロ率も上がるし。
観ている間は思い出せなかったが、今思えば、『ブルータル・ジャスティス』と雰囲気が似ているけど、ラストは正反対。