思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

キック・アス(2)ヒットガール

☆☆☆☆

コミックの続編なのだが、キックしアス君は脇に回って、ヒットガールことミンディを主人公に据えた作品。スピンオフでもなく、ストーリー的にはしっかりと本筋を構築するものになっている。
まずは、前作のラストで、ヒーロー活動の師匠でありパートナーだった父親を殺されて、父の友人だった警官に引き取られた、という大事な設定を忘れていたので(^^;)、しばらく混乱した。
神経の細い友人の妻(ミンディの母役)にヒーロー活動がバレると、精神が崩壊する、というので、(仮の/今の)両親にバレないように、深夜にマフィアを殺して回っている。
学校では、「普通の女子校生」とはどんなものか、キック・アスに教わりつつ、逆に夜はヒーローとしての特訓を施す、というバーター契約を結んでいる。12歳にしてはキャラデザインが幼すぎるので、日本のマンガやアニメの文法からは幼稚園児か小学校低学年にしか見えないのも混乱させられた。
そのせいもあってか、ここまで二人に恋愛感情が皆無なのも良い。
本巻の主人公たるヒットガール目線では、ラストにはカタルシスも用意されているが、キック・アスのほうはと言えば、特訓で多少強くなったものの、まだまだ一人ではボコられることも多い(^^;) まあ、そんなすぐ強くならないのが、リアリティ重視の本作の良いところ。
なお、本作のクライマックスは、これまで両親に隠れていたこと、その両親にもマフィアの魔の手が伸びてきたこと、マフィアを一晩で全滅させ(なければならなくなった)、という障害を吹き飛ばす、惨虐というか冷酷な復讐となっている。