思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

スーパーマリオ 魔界帝国の女神


☆☆★

ドラゴンボール エボリューション』の前に、やらかしたクソ映画としてだけは知っていた本作。フルCG映画の公開を前に、実はアメリカではカルト的な人気がある……なんて情報を聞いたら、俄然観たくなるというもの。
結論から言うと、原作を知らなけば普通にテレビで楽しく観られる、というレベル。エメリッヒ版『ゴジラ』みたいである。
簡単に言えば『ゲッターロボ』の「恐竜帝国」的なクッパが、地球侵略を狙って、異世界の扉を開くカギを握るピーチ姫ならぬデイジー(とうもマリオシリーズの何かに出てくる名前らしいね)をさらうが、彼女に惚れたルイージが、恐竜帝国に助けに行く。
恐竜帝国のビジュアルが、80年代らしいごちゃごちゃ系。『ブレードランナー』や『トータル•リコール』みたいな感じで、『マッドマックス』のような車には路面電車(というより遊園地の室内ゴーカート?)のようなパンダグラフが付いていたりする。このへんが、普通によくできている、といわれる所以かも。
ただし、キノピオ王国ならぬ、本物のキノコ、というより粘菌があちこちにあるのは、日本の低予算特撮を思わせるマイナスポイント。二千年代に入ってからのように、全面的にCGを使えないとなると、やっぱりこんな中途半端なものにならざるを得ないよなぁ……。
CG版より良かったのは、配管工としてのスキルが、割と最後のほうまで活用されていたことくらいかな。
本作では、マリオたちの配管会社が「マリオブラザーズ」という。実際に二人が地下で活躍するのは『マリオブラザーズ』だから、正しい。彼らが恐竜帝国のクッパの野暮(というかクッパ自身)を潰したことで、マスコミから「スーパーマリオブラザーズ」と称賛される構成もうまい。逆に、CG版はこの設定を踏まえているのか??
あと、吹替版では、マリオの富田耕生クッパの愛人役の来宮良子がめちゃ安定感を出していて、☆くらいの評価を上げていた感じ。
マリオ役は、まさしくマリオ! というハマり具合だと思った。あとはどうでもいい(^^;) そもそもマリオ映画として評価してないし。