思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

血槍富士


☆☆★

片岡千恵蔵主演。内田吐夢監督。
酒癖の悪い主君の槍持ちとして道中をゆく片岡千恵蔵。前に観た同監督の作品のように、ミュージカル要素こそないものの、ロードムービー的に、いろいろなキャラたちが、微妙に絡みながら人間模様を織り上げてゆく。ガキ……いやさ、子供も、カンにさわるセリフも控えめで、良くも悪くもマイルドな仕上がり。
ケーブルテレビの紹介がネタバレしてるので続けて書くが、本作のクライマックスは、ラストに、主人を殺されて片岡千恵蔵が仇打ちとして槍を振り回して暴れ回るシーン。
これ、『吉原千人斬り』と一緒だよなぁ……。華麗さは微塵もなく、雨の中で暴れ回る。
ここでネタバレ注意報を入れるのは、浜村淳なみの「全部喋って、あとはエンディング」状態なのだが(^^;)

以下ネタバレ

本作で面白かったのが、ラストシーン。道中で出会った子供が、弟子入りといか子分というかで、一緒に旅をしたいと言うが、それを拒否して、ひとりで去ってゆく。ラストカットは、それを追いかけて「おいちゃんのバカー」的な泣き声で「終」というモヤモヤエンディングだ。