『衝動』☆☆☆★
「日本映画チャンネル」の「月イチ衝撃作」。なんかこのシリーズ、都会の片隅でアングラ生活を送る主人公が、恋愛とセックスと殺人をするに至る、という作品ばかりなんだよなぁ・・・。昔の「日活ロマンポルノ」で新たな才能が出てきたみたいに、近年の邦画ではこのジャンルでしか新人は映画資金を集められないのだろうか(´д`)
テイストとしては『生きちゃった』とか『ソワレ』が一番近いかな。小さい時の父親にレイプされていたために口がきけなくなった女との恋、というのもまあこのての作品ではありがち。
最初は麻薬なんかのヤバイものの運び屋をやって、ネットカフェで生活する主人公で第8地区を担当するから「ハチ」と呼ばれている主人公ということで、近未来のディストピア東京の話かと思ったが、どうも現代っぽい。
本作では主人公もクライマックスでは別の組織の若手カップルにひどい目に遭わされたりする。フェアのうまい彼女と、それを含めて正常な性的関係ではいっさい興奮しない男、という組み合わせが秀逸かも。その男に拘束されておっさんの餌にされ、うしろからやられている間に、刑事の幻覚を見る、というのがシュールだった。
ラストシークエンスは、ちょっとわかりづらかった。主人公の兄が数年前に渋谷で連続殺人をやったのだが、それと服装を同じ白いシャツにすることで重ねている上に、たぶん服装から過去に恋人と交わした、心情を吐露するシーンとカットバックしているので、3つの要素が重なっているので、めちゃくちゃ時系列の把握に混乱した。
あと、主人公のモノローグが割とポイントポイントで長めに入るのだが、それが下手なのもちょっとノイズになったかな。主人公の芝居が菅田まさきっぽいのもなんだかなぁ・・・。