思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

蒼海館の殺人

☆☆☆☆★

前作では山火事の元での殺人事件だったが、本作では水害ときた。つくづく、異常事態を設定するのが好きだわ。行く先々で殺人事件を起こす、江戸川コナンみたいな死神といるが、本シリーズの主人公はある意味、それ以上の疫病神である。ほんさでは、村ごと水没させているのだから(´Д`)
それだけでなく、本作の舞台となる館は葛城の本家。おまけに彼いわか、一族全員が嘘つき、という、とんでもない一族なのだ。もちろん、主人公である田所は、彼らの言動を見て、嘘をついているとは思えないわけだが……。

中盤、亡くなった祖父が、近所の交番のお巡りに「蜘蛛に殺される」と言っていたことが明かされる。ちょっとネタバレだが、てっきり何かの聞き違いだと思っていたら、本当に、真犯人が蜘蛛っぽいときた。これ、まんま『女郎蜘蛛の理』のオマージュだよなぁ。
前作にも増して、分刻みのアリバイ崩しもあり、より本格寄りのミステリとなっている。

以下、ネタバレ

あまり詳しくないが、後期クィーン問題