思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

セブン


☆☆☆☆

原題は『SE7EN』。これ、「セブン」じゃなくて「セセブンエン」じゃない?(Vが90度曲がってるってコトに理由があるのか、単なるグラフィック的な「カッコいいんじゃね?」だけの理由か)
20年前くらいにレンタルで観て、悪くない印象だったけど、今回再見してもそれは変わらなかった。オープニングとエンドロールはチャカチャカして鬱陶しく感じたけど。
キリスト教七つの大罪に見立てた連続殺人という、前半よっつの殺人とその捜査中は雨ばかりという、いかにも新本格ミステリー的な仕掛けも(ある意味)楽しい。
ルックも文句ないし。

以下ネタバレ

5つの死体が発見された時点で犯人が自首するところから、探偵小説あるいは警察小説、または社会派ミステリーとしては破綻していると言えなくもないわけだが、最後に自分が(嫉妬の罪で)殺されることまで含めて完結する、『乱れからくり』(ネタバレかな?)的な思想テロとしては美しく完結している。ただ、それには、犯人が敬虔なキリスト教徒である、という要素が欲しかったなぁ。キリスト教徒ではなく、自らの生命を絶って犯行(反抗)を行う、という点では『パトレイバー劇場版』にも通じるものがある。押井守のほうが先んじているし。
個人的な好みとして、最後にブラピの奥さんの切断された首が入った宅配段ボールの中身を映して欲しかったなぁ。もちろん、モーガン・フリーマンは目撃したカットがあるので、観客に見せなくても演出として成立してはいるんだけど、それでも、中身は首ではない可能性も残されるから。