思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

模倣犯(1)』
☆☆☆★

女性の失踪事件からの、連続殺人事件。
文庫で5巻中の1巻めだが、ここまででは、なぜ『人狼城』ばりに長いのか、分からない。
面白いのが、1巻だけでも、いちおう犯人が分かって、読み終えることが出来るようになっていることだ。犯人は交通事故で死亡、という面白味のない結末だが……。
2巻以降は未読なのでネタバレとか関係なく書くが、当然、これは真犯人ではあるまい。タイトルからすると、次々と模倣犯が出現し、真犯人は、模倣犯が出てくるように事件を誘導した。なぜ模倣犯は絶えないのか、という社会派的なテーマが、本作の特徴になるのかな……?
ちなみに、これだけ長いのは、死体発見者を始め、関係者やその舞台が新たに出てくる度に、小説としての情景・心理描写をぶっ込んで来るため。それがいちいち読ませる(巧い)から始末が悪い(^_^;)ミステリーとしてのプロットだけ考えれば、ボリュームは4分の1で十分だ。