思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

イージー・ライダー


☆☆

アメリカン・ニューシネマを代表する(傑作)映画とされているので、観とかないとなぁ……という感じ。
結論から言うと、わたしには全く合わなかった。テーマもそうだが、映画の劇伴として歌を流すやつは「歌詞を出さないとテーマを表現できないダメ演出家だ!」というのが私の自論(暴論)なので、本作なんてもってのほかなのだ。なにせ、ロードムービーとして、バイクでツーリングするシーンに歌が5、6曲は流れるんだからね(´Д`)
ストーリーと言えば、いわゆるヒッピー的というのか、アングラカルチャーというのか、ドラッグをキメたり、売ったりした金でハーレーを買って、当てのない旅に出る。そこで知り合いに再会したり、宇宙人信者の弁護士と意気投合したり、売春宿に行ったりする。でもこれ、「だから何?」という感じなんだよなぁ……。序盤以外は早送りしてしまった。
町山氏の解説動画を見れば、本作が映画史的に画期的であることが分かるが、そんなの関係ねぇ! 現在の(価値観じゃないよ)視点で、虚心坦懐に映画を、観るならば、別に凄い(優れた)映画でも、面白い物語でも何でもない。

以下ネタバレ

最後は「長髪だ」という理由で、集団暴行されたり、しまいには走っている最中に撃ち殺されたりする。もちろん、「長髪」というのは単なる口実で、羽目を外し、時には風紀を乱す無軌道な若者が忌み嫌われたのだろう。
少なくとも、大人の価値観からは「善人」ではない主人公が殺されるのは、ある意味、勧善懲悪のフォーマットに則っている、オーソドックスな結末なんだけど。やはり、殺人鬼でもない主人公があっさりと殺される、というインパクトは絶大。散弾銃なのか、前輪が取れたパイクが火を噴いて惰性で進んだ末に倒れ、そのまま『ツイスター』のラストカットよろしく上空までカメラが上がってゆくラストカットはお見事。
いわゆるパリピ系の、私的にはいけすかない主人公が、最後に死ぬことでスカッとして見終えることができた(^^;) ある意味、「胸スカ映画」かも。早送りなしだと、最後まで観ることじたいががしんどいだろうけど。