思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

エアーウルフ 映画版


☆☆☆★
観るのは小学生の時に金曜ロードショー、数年前、に続いて3回目かな?
第一話となるテレビスペシャルとばかり思っていたのだが、原語サブタイトルは「THE MOVIE」とあった。テレビ映画??
内容はエピソード0ではなく、完全に第一話。
内容は、ちょくちょくテレビシリーズのアヴァン・タイトルで設定紹介されていたので、それの通り(^^;) とは言え、細部は、改めて見ると、色々発見もあった。
アークエンジェルは、CIAの意向を無視はできないが、ホークの敵ではない。その部下である女スパイ・ガブリエルは、彼がリビアに派遣したところ、あっさりと捕まって犠牲となる。
ホークは、最初に二人が家を訪れた時(泊まり!)は、徹底して冷たかったのに、しばらくして再びやってきた彼女に、いきなりキス。心情の変化がまったく描かれていないので、度肝を抜かれた。逆にシリーズを見た印象からすれば、ホークは女好き、という感じなので、そういう意味では違和感はないのだが、そうであれば、最初に邪険にしていたのは、キャラの一貫性が保たれない。ガブリエルが、女スパイとして、色仕掛けのテクを使ったんだろう、とは推測できるけれど。私的には全然魅力を感じなかったけどね(^^;)
ちょっと驚いたのが、物語の舞台設定。リビアカダフィの名前が出てくるのだ。後に正しくアメリカの手によって殺されるのだが、その30年前のことなのだ。本作が、『ゴルゴ13』的な国際スパイ映画としても、よく取材して書いていることがわかる。
逆に、スパイアクションとしてはお粗末で、ホークが亡命したパイロットのスーツを着て、ヘルメットを被ってヘリに歩いて行くところなんて、ドミニクのデブ体型と、元の人じゃあ、一発でバレてるし、そもそも服のサイズが合わないでしょうよ。ホークの格闘もお粗末(^^;)
メカフェチとしては、本作の代名詞ともいえる「擬似空中一回転」について、ちゃんと解説してくれていたのに驚いた。ホークが、スターを乗せて映画撮影のシーンで見せた軌道を、ドミニクが取材陣に喋ったのだが。いわく「失速宙返り」で、ミリオタになってから画面から読み取った通りだったけど、小学生当時は、一回転してると思ってたなぁ。
エアーウルフの超技術である「ターボ」も、いちおうその際には、プロペラを止めて、という(説明/言い訳)セリフがある。画面上は、普通に回転してるけどね。ターボのカットだけミニチュアでそれを表現しても良さそうなのだが、本作ではミニチュアは、爆発カット以外はほぼ使っていないんだよねぇ。
あと、敵機としてミラージュを撃墜するシーンがあるのだが、これが問題。エアーウルフのコンソールの解析画面では、ちゃんとミラージュの図面が映るのに、その後の、飛んでるひこにミサイルが当たって爆破するカットは、ミグだか何だか、全然似ても似つかない機体なのだ。ミラージュのラジコンを飛ばすか、せめて映画文法として、どちらかに統一してくれないと!
ヘリのスタントでは、砂漠の低空飛行で、機体に砂をかぶっているのがジオラマ心をくすぐられるものがあった。
設定として問題なのは、エアーウルフの開発者で、CIAに反逆し、リビアに亡命したもふぇっと博士がクソ野郎であることだ。痩せた女スパイを砂漠で放置プレイで殺すさサディストなのは百歩譲るとしても、何の博士なのかもよく分からん。戦闘ヘリ設計の工学博士ってこと??