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『人外サーカス』小林泰三
☆☆☆☆

冒頭は『ヴァン・ヘルシング』みたいな吸血鬼対吸血鬼ハンターの戦いたが、その後は、一般人対吸血鬼、という構図になる。まるで『風来忍法帖』か、山田正紀の初期冒険小説にある素人によるミッション・インポッシブルもののようだ。
吸血鬼の超生命力を表すためもあって、（小林泰三らしい）グロい描写もあるが、そもそも人間でないことと、リアリティのベースが低いので、全然エグくない。小林氏の＜人造救世主＞シリーズに近いテイスト。
ただのバトルものかと思いきや、山田風太郎の某忍法帖ばりのツイストがある、お得な作品。単なる小説的な味付けで、無関係と思われていた主人公の過去のエピソードが、しっかり伏線になっているのも◎。