思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

狂武蔵


☆☆

だいたいの内容は知っていたが、本作ほど、だいたいの内容を聞いて、実際に見てみたら、それ以上でも以下でもない、という映画もあまりないだろう(^^;)
宮本武蔵の、吉岡一門を全滅させるエピソードをノーカットで描く。もちろん、乱闘カットの前後は、普通のカット割りでドラマパートがあるのだが。
この構成、アクションゲームの、プレイヤーが動かせるパートと、ムービーパートの関係にそっくり。
ドラマパートは、ニ、三人知ってる人もいるが、あとはあんまり演技のうまい人はいない。というか、語る必要もないだろう。
本編は、ノーカットの乱戦。どうやら、殺陣の振り付けなしで、ガチンコというか、アドリブらしい。少し戦ったら場所を移動しながら、それを基本的に主人公の後ろから撮っているので、まるで『戦国無双』みたいな画面なのだ。
振り付けがないので、はっきり言って格好いいもんじゃない。ラストシーンで、振り付けありのチャンバラもあるが、そちらのほうはスピード感も凄い、水準以上のもの。なので、余計に目立つ。
私が思い浮かべるのが、子供の時にやったチャンバラごっこそのものだ。せめて、剣道くらいの打ち込みのスピード感があれば良かったのだが。防具がないぶん、どうしても刀で刀を払ってから切り込むことが多くなり、リアルっちゃあリアルなのだが、どうみても竹光で、真剣の重さが感じられないので、命のやりとりをしているという凄みもない。いちおう、よく見ないと分からない程度に切られた身体からCGの血が飛んだりするが、それもワンパターンで、逆にこれまたゲームのエフェクトみたい。
どうせ1カットの乱戦なら、ちゃんと殺陣をつけるか、真剣でやって欲しかった。いや、後者はあり得ないけどね(^^;)