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ゲームものかな、と思いきや、まんま『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の現代社会版。
映画冒頭から、主人公が朝起きた瞬間から、次々に殺人者が襲ってくる、ジェットコースター・ムービー。
なにしろ、始まった途端に主人公は文字通り息つく間もなく暗殺者たちに襲われ、殺されて、を繰り返す。映画的に説明ぱーとになるのは、分かれた妻と会う、20分が過ぎたころ。
ループの原因も、脱出条件も、いちおうは設定されているが、「観てる人は、そんな説明は、どれだけ細かくやっても、リアリティなんかないんだから、なおざりでいいよね?」と、いうあたりが、「わかってる/共犯者/同類」感覚で嬉しい。
設定だけでもゲームっぽいが、それを補強しているのが、主人公が何度か首を切られるカットがあるが、全く血が出ないのだ(^^;) もちろんR指定対策なのだろうが、刀が鋭利すぎて、すぐに血が出ない、という言い訳的な説明もあるのかな?
中国の直刀を使う女アサシンは、ハリウッド映画のあるあるで、少なくとも日本人的な感覚では、残念ながら不細工(´Д`) 彼女が、正面からサブマシンガンの乱射を受けても無傷なのは、さすがに(本作で唯一かも)「引いた」シーンだ。だって、ジャンプしてクルクル回転してたって、機関銃の弾丸は普通に回転してるぶん、身体の四方にまんべんな命中するだけでしょ?(´Д`)
まあある意味、ゲーム的であることを象徴するようなシーンではあるけど。
個人的な好みだと思うが、メル・ギブソンが出ただけで、生理的にダメ、と思ってしまうのはなんでだろう。悪役だし、その演技・演出で間違ってないんだけど。
以下ネタバレ
とにかく主人公のモノローグで観客に対する説明をしながら、とにかくアクションの鶴瓶打ちで、猛スピードで突っ走るのが痛快。このドライブ感は、『ハッピー・デス・デイ』シリーズに通じる。
最初は、メルギブを殺せば終わりかと思わせて、それは偽ルートで、子供の理解や、妻との和解、という家族テーマこそ真の解決、というあたりも、まあ御涙頂戴にまとめ過ぎではあるが、映画の構成上のツイストとしては良い。
ラストも、装置の中に主人公が入って、世界の崩壊が回避できるのか。十中八九できると思うが、それを見せずにバッサリとエンドロールに移るのも潔い。