思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

紫頭巾

☆☆★

女優で観る昔の映画シリーズ。本作では、千原しのぶがしゅっとした(女性には使わない表現?)美人で良かった。私の好きな山本富士子系というか。
マニアックな視点から度肝を抜かれたのが、映画が残り10分くらいになって、踊り/ダンスシーンが始まったこと。普通なら、こういうある種のダレ場は、中盤くらいに(今思い至ったが、トイレタイムに使ってね、という親切設計なのか?)あるものだが。ハリウッドの大作である、クライマックスに悪の儀式が始まる、的な置かれ方なのだ(^^;) やってることは能天気な舞なのだが。
遡って序盤。江戸の話題をさらっている浮世絵師、彦摩呂? じゃなくて「なんとか麻呂」がいて、謎の絵師とされている。明らかに写楽をモチーフにしたようなキャラがいるのだが、そいつがあっさりと登場する。悪役のほうに抱えられて絵を描いたりするのだが、最後の舞の後に出てくる、というのだが、はっきり言って、何の意味があるのか全然分からん(^^;)
ビジュアル担当なのかと思いきや、醜い老人だし。せめて、紫頭巾が、彼が講談挿絵で描いたオリジナルのヒーローが、実際に登場した、的な流れなら存在意義があったのだが……。
あとは、田沼意次が悪代官的な役割で出てくるのだが、昔はこっちが共通イメージだったので、『風雲児たち』から田沼意次を知った私からすると、逆に違和感があった。
あとは、全編に渡って、ほとんど影が全くないんじゃないか、というくらい照明が当たっていて、ある意味では豪華絢爛だが、平板というか、それこそ日本画的な二次元っぽい画面になっている。特に室内は、天井に蛍光灯かあるんじゃないか、という異常な明るさ。
紫頭巾は、喋り方が特徴的な片岡知恵蔵で、素顔でも道場破りを撃退する際に、同じ構えをとってしまうという、うかつというか、視聴者に対して親切設計というか……(^^;)
なお、特に前半、非常にイライラさせられたのが、基本的にセリフが聞き取りづらいこと。昔の邦画にはちょくちょくあるんだよなぁ(´Д`)主人公だけでなく、敵も暗殺とかを多用するから、覆面キャラが多い、というのも相まって。アフレコしてくれ。