思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『唐獅子株式会社』☆☆

東映エクストリーム」動画チャンネルで情報ゼロで観た。
これ、多分漫才ブームで人気絶頂だった横山やすしを主役にした、アイドル映画だよね?(^_^;)
舞台や役柄は、やっさんのキャラからして、一番違和感のない、ヤーさん(^_^;)
ウダツの上がらないやっさんの所属する組の親分(丹波哲郎)が、場末のスナックで歌っている一人の女の子を、スターにしようとし、それのマネージャーというか、プロデューサーをやっさんとクワマン・・・じゃない、桑名正博に頼む。
80年代って、子供の頃だから記憶はあるのだが、やっさんはもちろん、丹波哲郎、桑名正博、安岡力也など、ほとんどの登場人物が亡くなっている、というのはなんか湿っぽくなるなぁ(´д`)
まあ、ストーリーはどうでも良くて、数倍の金がかかった隠し芸大会みたいなノリで観るのがいいだろう。
大阪人なので、一応会話の中のツッコミはあるが、映画としてのコメディシーンや会話に対するツッコミはない。お笑い/ギャグ映画というより、コメディ映画として観るべきだろう。
やっさん他、みんな意外と下手さを感じさせないくらい演技が上手かった。吉本は、新喜劇を中心に、演技には馴れているのだろう。
アイドルを夢見る少女(というか、20代の若い女)は、私的な年齢からすれば知っていて当然なのかもしれないが、その分野には明るくないので、劇伴と劇中曲を担当した甲斐田氏の妹にあたるホントのアイドルなのかもしれない。当時のアイドルは、歌の下手な人も多かった時勢に鑑みても、プレーンにみて、うまいと思った。
物語的には、テレビやアイドル業界、つまりは芸能界にはヤクザと強い関係がある、という黒い噂を期せずして暴いている作品になっている、というのは本作にも三下役で出演している島田紳介問題が騒がれた後の、現在の我々からすると感慨深い(?)ものがある。
こんなアイドル映画なのに、特に演技・演出的に不満なく観られるだけでも良くできた作品、とすべきなのかもしれない。
まあ、思いっきりハードルを下げて見たから、ということもあるだろうけど。

1983年 日本