思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』☆☆☆☆

タイトルの意味って何やねん? という感じだが、副題はともかく、作中の字幕を観ても、要するに『Color which out of space』または『Color from out of space』という感じ。
なんでも出てるニコラス・ケイジ主演なので、本作もB級かC級か、というスタンスで観たが、堂々たるB級映画だった。
80年代の怪奇映画、という感じ。『マタンゴ』『ミスト』『ヒルコ 妖怪ハンター』とかが好きな人にはハートを鷲掴みにされるんじゃないだろうか。後は大林宣彦『ハウス』とか(^_^;) タイトルは『THE MYST』のように、『THE COLOR』で良かったのに。
色が侵略してくる、という発想が面白いが、現在のCGがなくても、オプチカル合成だけでもできる、という技術的側面からも80年代っぽい。
ニコラス・ケイジは腕に湿疹ができるだけで、買って/飼っているアルパカたち、妻と末っ子が融合して化け物になるとか、変容の線引きがもう一つわからないけど。この辺の人体変形は実に荒木飛呂彦的だ。
直接的な怪物をエイリアンとして造形するのではなく、ギレルモ・デルトロ『パンズ・ラビリンス』的な昆虫とかマゼンタを基調とした植物群など、『ミスト』的な、何かが侵食してくる感じがSF的センス・オブ・ワンダーを感じさせてくれて良い。
佳作というか、観る人を選ぶとは思うが、SFファンにとっては隠れた名作かも。

2020年 アメリ