思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『虚構の男』L・P・デイヴィス著/矢口誠訳
☆☆☆★
国書刊行会

ストーリーの大枠としてはスパイ・スリラー(国際謀略小説)いうことになるだろうか。
ただし、細かい設定や視点はコロコロ変わるように提示されるので、面食らう。
別の面から言えば、ミステリSFでもある。
奇想天外、自由奔放な展開、ジャンルミックスの設定は、山田正紀イアン・ワトスン、はたまたバリントン・ベイリーか。
個人的には、終盤(唐突ともいえる)超人もの展開からの進化・変容的な結果にセンス・オブ・ワンダーを感じた(まどろっこしい表現になるなあ…。「燃えた」あるいは「萌えた」と書くと簡単なのだが…)。
『川の書』からの3部作とか、トンデモSFが好きな人にはオススメ。