思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

セブン・シスターズ
☆☆☆☆

『アヴァロン』に出てきた名前の元ネタかと思いきや、全く関係ないみたい。こちらのほうが後だし。
ひと昔前の中国みたいに、一人っ子政策が実施された世界。不法な第二子は逮捕され、食料・環境問題が解決される未来まで冷凍される。
主人公が七つ子であることがタイトルの由来。曜日の名前をつけるなんて、テキトーすぎると思ったが、実は曜日ごとにローテーションで一人だけ外出してお上を欺く計画だった。フライデイと言えば、ハインラインだが、念頭にあったかな?
そこからは『リベリオン 反逆者』みたいなお上との戦いを、『マトリックス』みたいなネットを通したサポートで一人ずつ立ち向かって行く。時には隠れ家に踏み込まれて、みんなで共闘したり。現実でもよくある二子の、入れ替わりいたずらを、極限まで振り切った設定といえる。
CG合成でか、ごく自然に7人が混在・絡み演技しているシーンがあるかと思えば、クライマックスでは、古典的な肩越しの代役・撮りきりしているカットもある。事前情報なしで観たので、無名の三つ子くらいの女優さんかと思ったら、逆で、有名な普通の(二子ですらない)人だった。
殺し・殺されるカットは結構遠慮ない。少し観れば、「そして一人だけになった」展開は予想できるが、意外なタイミングと順番で退場するのが見処。特に、肉体派の主人公が、キアヌ・リーブストム・クルーズばりにビルの間をジャンプした着地前に射たれるあたりは最高の裏切り!
ラストになって、急にC級SFに失速し、CGもチャチになるのが少し惜しい。
ラストでは、一人が権力者とつるんでいたり、二人(と赤ちゃん二人)が生き残ったりと、ひとひねりあるオチもいい。