思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

山本昌仁『近江商人の哲学 「たねや」に学ぶ商いの基本』を読む

印象に残ったところ

「工場にクリーンルームを作って、完全無菌状態で水羊羹を作るようにしたのです。これだけで七億円の投資です(略)最初から無菌状態だと、「殺菌のために」熱を加える必要がない。きれいな紫色に仕上がり、小豆本来の風味が味わえます。(略)いくらでも日保ちするようになった。」

「1日に炊き上がりで2~3トンという膨大な量を作っているのに、小豆を煮上げて柔らかくするのは60キロずつ、商品に合わせて加糖するのは15~30キロずつと小出しにやっています。手で感触を確かめながらやらないと、満足いくものが作れないのです。 でも、だからといって、小豆を鍋に流し込む作業まで人間がやる必要があるのか?パイプを通して機械で送り込めばいい話です。充填するのだって、人間がやったから菓子がおいしくなるわけではない。むしろ人間が触れないほど高温の状態で充填するほうが菌は減ります。 材料の計量も同じです。人間は必ず間違う。(略)機械なら0.01グラムも間違わない。」

「どんなジャンルであれ、流行っている店と流行っていない店の両方を見ることです。見ているうちに、なぜ流行っていないかわかるようになります」